外国人の在留資格・ビザ申請専門・届出済み行政書士の佐々木健一事務所です。名古屋入管(名古屋出入国在留管理局)エリアを中心に相談、書類作成を行っております。
久しぶりに、日本の会社批判の記事を見ました。
留学生(専門学校)が資格外活動違反をし、在留資格が更新されなかった。
当然、この資格外活動について学校も、当の留学生も知らないということはないだろう。知らないとしたら、もっと問題がある。
この更新されなかったことに留学生は納得できないという。
週28時間認められる労働時間を倍近く大幅に違反をしていて、この発言はいかがなものだろうか。数時間オーバーぐらいであれば、それなりの理由もあるだろうが、月に210時間働くとは、一般的な正社員よりも多いか同じぐらい。
これでは、留学生というよりは就労という方が妥当である。
この記事では、学校がアルバイト先を紹介し、先生が送迎していたことを鬼の首を取ったように批判している。
確かに、学校側にも責任がないわけではないと思うが、学校側を責めるのは少し筋が違うと思う。それも専門学校である。主体は、知識・スキルであって学生の躾までは期待できないと思う。
この留学生は「なぜ、自分だけが責任を取らなければいけないのか」と、不満を口にしているらしいが、自分だけのだけの部分が気に入らない様子と記事は伝えている。学校は、報道され、かなり社会から叩かれるし、今後の入管の審査も厳しくなるし、それに当人(更新されなかった留学生)たちの授業料等も入ってこなくなり、違う形で責任を果たさなければならないのである。
こういう留学生が居なければ、平穏だったかもしれないのである。(学校側も確信犯だとはおもうけど)
そう考えると、記事の書き方も違ったものになる。
例えば、学生の生活のため、学校が信頼できる工場を紹介し、先生が授業後、送迎までしてくれていた。それなのに、留学生は違反を知りながら働いていた。という感じになるのではないだろうか。
留学生も技能実習生も、日本に来るために送り出し機関やブローカーを利用している場合が多く、その中には、日本に行けばお金が稼げることを1番に挙げているところがある。そういうブローカー等から紹介された、技能実習生は、実習先がまとまで残業をしない会社であると、収入に直結する(賃金が減る)ため、ボイコットやクレームを言われることもあると聞く。
誰が悪いというよりも、制度そのものの成り立ちを考える必要はあると思う。
少なくとも、悪い送り出し機関、ブローカーは排除されない限りはこの問題はなくならないだろう。
仮に、週の就労時間を撤廃したところでも、同じ結果になることは予想される。この留学生は、労働基準法違反の最上級まであと、50時間ぐらいなのだから。
この新聞社さんは、コロナ禍で仕事が無くなり貧困だ、何だと記事をよく目にするが、この記事だけだと、仕事あるんだあ、と感じる人も多いのでは?
この記事の下にある関連ニュースでは、妊婦「何でもするから助けて」 実習生、コロナ禍の過酷 、「本当はやりたくない」 摘発風俗店で働く実習生の構図という具合に、仕事が無くなり貧困になってしまったことを浮き彫りにしているのである。