NEWS 各TV 技能実習生の失踪理由は低賃金が7割 法務省が調査結果概要

在留資格・ビザ申請 届出済行政書士の佐々木健一事務所です。
入管法改正に伴い、新在留資格と何かと比較される技能実習制度ですが、以前にも増して批判的な記事が多くなっています。
・劣悪な環境での就労させていること
・開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することの目的を果たしていない
などです。
その中で、結果として失踪した外国人実習生を対象に失踪理由を調査したところ、7割が低賃金であったことが分かった。
この低賃金は、10万円以下が半数以上を占めています。
計算上は、週5日、1日労働時間8時間で計算すると、月に残業無しで180時間働くことになる。残業が20時間と少なく見積もっても200時間の1月当たりの労働時間となり、時給は500円になる。これは、地域格差があるとはいえ、最低賃金を大きく下回る。
さらに、住居が3人部屋で、月当たり5万円を取っている実習場(職場)もあることが言える。
対象2900人に対して、技能実習生総数が約24万人であり、割合は約1.2%であるが、我慢して失踪しない外国人はその何倍にもなるだろう。なぜ、労働法違反で取りまらないのか?という気にもなってしまう。
この辺りを徹底しクリアにしないと、この技能実習制度自体が意味を持たなくなってしまう。この在留資格の目的を達成することができないからである。一方で、この資格制度が「移民」逃れだとする場合でも意味を持たない。この状況・状態では「移民」などするわけがない。実際に、逃げ出しているのだから。「移民」うんぬんを言う前に、こういう基本的な状況にも目を向けるべきである。
ある国の官僚と話す機会があったが、自国民が日本へ来て働くことができるのは非常に喜ばしいとしながらも、最低限人間として扱って欲しいのであると発言されていた。全く、その通りだと思う。
ブログでも再三再四書いているが、悪いのは制度の脆弱性を悪用して弱者から財産を奪う人達であり、それを見逃していることである。