NEWS コロナで来日できない、それでも技能実習生の面接を続ける事情

外国人に関係する、在留資格・ビザ申請 届出済み行政書士の佐々木健一事務所です。名古屋入管(名古屋出入国在留管理局)エリアを中心に相談、書類作成を行っております。

朝日新聞のGLOBE+の記事になります。記事のHPは、「コロナで来日できない、それでも技能実習生の面接を続ける事情」です。
新型コロナ感染拡大防止中であり、外国人入国を厳しく制限しているのになぜ、技能実習生の面接をしているのか?ということに応える記事です、監理団体の理事にインタビュー等しています。採用面接を行っている背景には、入国できるようになったときにすぐに働いてもらうためとしています。
技能実習制度は、採用を決めてから実際に働いてもらうまでには8か月ほどを要するとしています。
そのため、あらかじめこの時期を当て込んでおくということでしょう。リスクもありますが。
さらに、WEBによる面接が馴染んできていることもあると。
とここまでは、タイトルに関するものである。
さすが、朝日という感じであるのが、制度批判をきっちり入れてきています。
そもそも、技能実習制度は実習生であり、労働者ではない?という側面には立ちつつ、人材不足である建設業、農業、介護(記事にはないけど)などの穴埋め的な存在であるとしている。
とはいえ、同僚である日本人の意識変革もなされて良い効果も表れているとしている。
ここからが、朝日の真骨頂である。
技能実習制度の批判が始まる。
新型コロナによる解雇などで、寮を追い出されてしまい、ホームレスをしている等の記事から始まり、その技能実習生は母国で多額の借金をして来日(出稼ぎ)しているとしている。その額は80万円としている。日本円なので、7~10倍ぐらいのインパクトだろうか、記事では日本円で1600万円ぐらいとしている。気の遠くなるような金額である。
その半分は送り出し機関に支払う紹介料である。つまり、送り出し機関に800万円のインパクトとなるお金を支払うのだ。さらに、送り出し機関で日本語教育、寮生活などの費用が30万円ぐらいかかるとしている。ここまでだと、というより、日本で稼げなければ送り出し機関のために働いたようなものである。
記事には、技能実習生を選択しなければならない事情があるとしている。
これどうなんだろう?と思えるのだが・・・ベトナム、特に地方などでは日本で働くしか生活を変えられないとしている。
本当だとしたら、技能実習制度の問題ではないと思うのだけど。そのために、技能実習制度を利用しているとしたら、建前すら成り立たないと思う。こういうご都合主義に考える人たちがいる間は、制度の変革はなされないだろう。