NEWS やられる側がやる側に、技能実習制度のむごい実態(JBpress)

在留資格・ビザ申請専門・届出済み行政書士の佐々木健一事務所です。名古屋入管(名古屋出入国在留管理局)エリアを中心に技術・人文知識・国際業務など就労ビザ、国際結婚など身分系資格の書類作成・申請を行っております。

技能実習制度はニュースなどでも、その制度そのものへの批判、実習生と企業、送出し機関、監理団体のあり方、トラブルなどをよく目にしますね。
今回紹介するルポは、送出し機関のものですが、技能実習生がその日本で実習後の帰国してからのお話です。
目の付け所も良いし、よく取材されていると思います。

衝撃な書き出しです。
「真面目にルールを守るほうが損をする」
何ともトホホな感じです。
技能実習制度そのものの理念は良いと認めつつもその仕組みは、個々の関係者の良心頼りで、国際貢献や『人づくり』といったタテマエは完全に名目上のものになっているとしている。
記事は、ベトナムの送出し機関で働く日本人のインタビューで構成されている。ベトナムで結婚し、子どももいる30代の方だ。
そして、彼は疑問を抱きながらも技能実習生業界で働き続けているという。
この記事は、2つの視点を問題として解説している。
①情報感度が低いこと
②賄賂社会であること
なるほど、①はどこの世界でも当てはまることなのだろう。
弱者を食い物にするというのはまさにこういうことを言うのだろう。
貧しくて教育を受けられなかったとしている。
日本では、教育を受けられないということは考えづらいが、実際に教育を受けていない人がいる。そして、問題は教育者にいる低レベルな思想の持ち主がいることである。権威主義者が最たるものである。
情報感度が低い人の特徴として、自分自身で行動あるいは、考えないとしており、権威主義の教員は同じように教科書に書いてある、誰誰さん(偉い人など)が言っていたから、正しいということが多い。まさに、考えていない。
安易であるという点が同じであるが、そのプロセスは違う。
考えられないのと、考えないのは大きな違いである。
考えられるのに考えないのが教員である。
教員批判になってしまったが、教育制度もこの技能実習制度に近いのではないだろうか。
発展途上国の若者の「人づくり」を支援する国際貢献事業でであり、まさに教育であり、学校の教育も共通している。
その運営、伝導する教師・教員・技術者などや、制度そのものに問題がある。
最後に記事はこう締めくくっている。
技術のかわりに、ウソと搾取の利権構造を輸出しているようなものだ。
そして、搾取される側だった外国人労働者は、やがて同胞を「喰う」側に容易に回る。と。
これって、貧困ビジネス国際版と言えるかもしれない。

やられる側がやる側に、技能実習制度のむごい実態