NEWS どうなる外国人「長期収容」 出入国管理法 決着つかず(NHK)

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NHKの政治マガジンの記事です。
こちらの記事も、今回の入管法改正に関する問題点をまとめており、深堀している(上面の知ったかぶりではないという意味)。

記事では、長期収容のもつ言葉の意味について、日本人には聞き慣れない言葉としつつ、不法滞在の外国人にとって「恐怖」の言葉だろうとしている。
そして、この長期収容は不法滞在の温床になっているニュアンスで問題としている。
これを解消としようとした今回の改正案を与野党が修正で大筋合意したのに、成立が見送られたことに言及している。

ではなぜ、取下げに至ったのか?
記事では、政治家の生命(支持率)に大きな影響を及ぼすからという感じで、自民党幹部の証言を紹介している。
東京都議会議員選挙、衆議院選挙である。
つまり、法案よりも自分の身を守ろうとしたと置き換えることができる。
本当にそうだろうか?
記事の内容ではなく、議員幹部の証言の方である。
まあ、政治の話は他に譲るとして、この不法滞在外国人が大幅に増加し、収容の長期化は何としてでも、減らさなければならないと思う。
不法である滞在が増加している点は、法律が守られていないということである。
そして、長期に収容されるという点で懸念される人権の問題や、生命の問題である。
なぜ、不法滞在の外国人が増えたのかという点であるが、昨日も日経の記事を紹介した。
そして、今回この記事では、収容の長期化を「国外退去処分を受けた外国人が、送還を拒否することで、入管施設での収容が長期化するケースが相次いでいる」と明確にしている。
当たり前にも見えるが、この点をこれまでの朝日や毎日では触れられている印象はない。この収容の長期だけに触れ、人権問題として政府や日本人の意識の問題として報じている感じを受ける。

そんな中、現在では、コロナの感染拡大解消のため、「仮放免」が積極的に活用され、収容されている外国人は2020年末時点をみると前年対比で3分の1程度の346人となっている。
約1000人ほどが平常であれば収容されていることになる。
あれ、8万人を超える不法滞在の外国人がいるのでは?と、思いませんか。
不法滞在であっても、収容されるのは1000人程度なのですよ。現在は、1%も切っているのです。
そして、この記事が朝日や毎日とは異なり、深く突っ込んでおり、不法滞在などで国外退去処分を受けているが出国を拒否している外国人が3100人いると数字を示している。
このうち、何と2800人余りは「仮放免」の措置が取られているとしている。ここまでくると、これまでの各新聞社なりの報道記事は何だったのだろうと思えてします。
さらに、記事は続き、400人以上が行方不明になっているのだ。どこに行ってしまったのだろうか。

続いて、記事は70年法改正が行われていないことにも指摘している。日本で暮らす外国人の状況が変わっていなければ、あえて改正する必要はないかもしれないが、誰が見ても日本で暮らす外国人が増えたのは肌間隔でも分かり、先の不法滞在の問題だけではなく、刑法的な犯罪も報道されており、改正するか否かはさておき、検討する必要は大いにあると言える。

さて、改正案の5つの柱が紹介されており、下記の通りとなります。

◇国外に退去するまでの間、施設に収容するとしていたこれまでの原則を改める。新たに「監理措置」という制度を設け、逃亡のおそれが低いなど、一定の条件を満たす外国人は、施設には収容せず、親族や支援者のもとで生活することを認める。

◇自発的な出国を促すため、国外退去の処分を受けたあとでも、自費で出国した場合は、原則5年間禁じられている再入国までの期間を1年に短縮することを可能とする。

◇難民の認定基準を満たさないケースでも、紛争から逃れてきた人や、帰国すると迫害を受ける恐れがある人を保護の対象とする新たな手続きを創設する。

◇難民申請中は強制送還が停止される規定については、申請を繰り返すことで送還を逃れようとするケースが後を絶たないことから、3回目の申請以降は、原則、適用しない。

◇飛行機の機内で暴れるなど、帰国を拒む直接的な妨害行為に対処するため、退去を命令する手続きを設け、従わない場合は1年以下の懲役などの罰則を科す。

このうちの4番目の、3回目の申請以降は、原則適用しないというところに不法滞在外国人と支援団体から反対の声が上がったとしている。当人からすれば、当然にそう言うだろう。
政府側というか、改正案を作った方はこの点は想定していなかったのだろうか?
イヤ、そんなことは無いだろう。
そして、この3回以上難民申請を行っている外国人は500人(出国を拒否する外国人3100人中)ということである。
あれ、500人と思ってしまう。行方不明者の400人と似た数字である。足して、約1000人。先の平常時の収容人数と奇しくも同じような数字である。
与党もかなり歩み寄ったとして、合意内容を載せている。
しかし、最終的には合意には至らなかった。

そして、ここでも先のスリランカ人女性の死亡が出てきている。
改正案と同じ土俵で考えることが果たして良いことなのだろうか。記事では、入管が収容に関する運用をするための組織として信用できるのかとしている。
入管は先のスリランカ女性の施設内の様子を写した映像を公開しないとその点を大きく取り上げている。
出入国在留管理庁は、収容施設の保安上の理由や故人の尊厳を守るためなどとして、映像は開示できないという姿勢を変えなかったとしている。
これ、どうだろう。
施設の保安上の件であれば、もし仮に保安上で大きく施設の変更や整備拡充(例えば職員の補充など)が必要になるのであれば、先の開示を要求している方たちに補填してもらうのはどうだろうか、もちろん、前提として入管側の主張が正しければである。
故人の尊厳も、家族、支援団体など関係者から許可?を貰えばいいのではないだろうか。と思う人も少なくないと感じる。
おそらく、逆説的になるだろうと、私は推測している。
この問題を明らかにすると、不法滞在外国人の収容だけではなく、外交問題にも発展するのだろう。
不法外国人の帰国を拒否する国が実際にあるし、そもそも誰が、日本に連れてきたの?という点も明らかになる。
このことは、経済的に大きな影響を及ぼす存在があるだろう。あっただろうかもしれないが。
いずれにせよ、不法滞在であったにせよ外国人の人権を守ろうとしていたのに、その外国人に対して日本国民の関心が強い不信感に変わり、都合よく利用されている(奴隷制度だとか)とよく報じられている技能実習生、勉強しに来たのではなく出稼ぎにきたとされている日本語学校留学生など、くすぶっている問題にも発展すると一部の賢者は考えているのではなかろうか。
日本人が嫌がるいわゆる3K職種や単価が低いわりに実入りが少ないと言われている仕事(介護かな?)を外国人に担ってもらっている(押し付けているとも)ことに飛び火することを嫌ったと思われる。
本当に日本の国を支えたい人が、入管職員や国、政府にいてそのあたりのことを考えていると思う。
上面だけで批判している小国民である自分も大いに、この問題を注視する必要があるのは間違いない。
そして、一番大切なことは不法滞在している外国人の方が圧倒的に少なく、真面目に一生懸命暮らしている外国人がいるということであり、同一視されるなどで嫌がらせを受けないようにしなければならないと思う。
アメリカでのコロナにおけるアジア人へのヘイト行動のような問題にならないこと祈るばかりだ。
何度も言うが、適法に滞在している外国人と不法滞在の外国人とを混同してはならない。
マスコミはこの点を明確に分けて、きちんと報道して欲しいと思う。このNHKの記事はそう意味でも、とてもいい記事である。

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