在留資格・ビザ申請 行政書士の佐々木です。
毎日新聞の記事です。
本国ベトナムで看護師の資格を持つ女性が、日本の医療機関で働く夢を見て来日。
しかし、不法在留などの出入国管理法違反罪に問われ有罪判決。
志半ば、強制送還となった、心痛む記事です。
来日するため、多額(このケースは125万円)を工面し、留学するが、アルバイト先等も指定されるなど自由も奪われた上、寮費などでも金をむしり取るれている。この記事の締めくくりは、彼女は違法行為をしてはいるが、被害者の側面もあり、弱い立場を利用し金をむしり取っているブローカーなどは何もお咎めないことに苦言を呈している。
新聞系の記事は、いい加減なものも多かったりするが、私のクライアントも同じような方が多く存在する。
ブローカーへの手数料は、日本円で50万円~200万円と差はあるが、現地で換算すると300万~1500万円程度なる。
さらに、日本の中小企業(雇用主)からも、月々2万~5万円をマージンとして受け取っていることが多い。
製造業をはじめ、過酷な労働条件の職場には、求人を出しても日本人の応募がほとんどなく、稀に応募があり、採用してもすぐに辞めてしまうことがあげれる。あるクライアント様は日本人は30連敗だという。ベトナム人は4勝1敗という結果で、会社の現状を支えている。
一方で、日本で働くことで、本国以上の収入を得られる直接的なメリットと、帰国後のステイタスの高さもある。
このことが、ベトナム、ネパールなどからの無理をしてでも来日する理由になっている。
そして、送り出し国、日本のブローカー等が本人以上に利益を得ている。
ある大手流通企業は、ネパールから日本語学校を指定し、その後専門学校に入学させ、卒業後は人文知識の資格でコンビニFCオーナー候補として採用する。その際の在留資格期間は1年と、わざわざ短い期間とする。開業資金(300万円)で、店舗を持つことができる。しかし、留学で大金を使っており、開業資金をこの間に用意することが困難なことは誰でもわかることだと思う。オーナーにする気がないのではなのかと疑われても仕方ない。
しかも、関東圏の日本語学校、専門学校なのに働く店舗は地方都市にしている。1年後には、縁もゆかりもない街で、更新せずに職を失うのだ。
行政書士や学校、企業までもが飯のネタにしている。許してはならないと思う。
最後の彼女の言葉「もう二度と日本に来ないので、許してください」は、彼女の正直さが表れていて、やるせなくなる。
健全な在留資格にするためにも、現行制度を見直すべきだろう。