在留資格・ビザ申請 届出済行政書士の佐々木健一事務所です。
入管法改正に伴い、特定技能が創設されることに伴い、技能実習制度との比較が講じられている。
技能実習制度はかなり批判を浴びていることは、報道に取り上げられている。
報道では制度そのものを人権面、国際問題として取り上げており、その犯人として政府機関や、雇入れ企業としている感じを受ける。
本当にそうなのだろうか?報道などでは、技能実習生の失踪の多さをその理由として挙げている。
この2年間は、7,000人を超す外国人が失踪している。
在留外国人が256万人なので、0.28%の割合となる。因みに日本人は、0.08%だが、届出の有無を考えるともっと多いであろう。
加味すると日本人の約2倍の人が失踪していることになる。確かに多くなっている。問題ではある。
なぜならば、技能実習生、留学生が失踪し、他の地で就労したり、在留期限を越えて日本に滞在すればそのまま入管法違反になるからである。日本人の失踪は、それだけでは犯罪にならないし、失踪者が見つかれば寧ろ、喜ばれるだけでお咎めはほとんどないだろう。
外国人が日本で生活していくということは、困難さを伴うという事である。もちろん、言葉や文化などの見えない壁もある。
そういう意味で捉えると、外国人は被害者の一面も見てとれるが、違法行為をした犯罪者でもあるといえる。
そして、雇用している企業はブラック企業だ!と言わんばかりに、マスコミは批判しているように見える。
でも、企業は本当に加害者なのだろうか?
こういう企業は、日本人に対しても同じようなふるまいをしているのではないだろうか?在留資格だけで捉えることではないと思うのだ。
何か釈然としないのではないだろうか?やはり、制度という仕組みが悪いのだろうか?
そういう面もあるが、それ以上に、中間に入るブローカーや知恵を授ける(通らない在留資格を捏造する)行政書士などの専門家の存在があると思う。この仕事を請け負っている者が損していることはないだろう。もちろん、すべての行政書士や専門家ではない。ブローカーや就労ビザが出にくいビジネス専門学校などと組んでいる一部のブローカーや行政書士である。この存在を、なぜか、マスコミを取り上げない。なぜなのだろうか?不思議である。
制度そのものも決して良いとは思わないが、それを法の網目を縫い(悪用し)、利用するプロフェッショナルの存在が結果として、こういった悲劇を助長していると思う。誤解のないように付け加えておくが、組合=ブローカーということではない。そういう場合もあるだろうが。
制度が脆弱であれば、悪用する者が出てくる。きれいごとや大義名分などの小手先の制度で乗り切ろうとせず、正々堂々と(労働)問題に取り組むべきだと思う。今回の改正は、そういう面では進歩しているように感じる。